終末のワルキューレ

【終末のワルキューレ】47話のネタバレ|釈迦の過去が明らかに

終末のワルキューレ47話のネタバレを掲載。47話では、釈迦の過去が明らかになっていく。釈迦は決められた運命に抗うため、神々と闘っているのであった。終末のワルキューレ47話のネタバレを読みたい方はこちらをどうぞ。

終末のワルキューレ47話のネタバレ

俺至る

釈迦は零福の斧爻の一撃を真正面から受け止めた。

ゲルが「え・・・いまなにが起こったんスか?」「てか、どっから楯を・・・」と驚いていると、ブリュンヒルデが「神器『六道棍』・・・」「衆生が輪廻転生する6つの世界を仏界では六道と呼び、それぞれの道を観音像が守護する」「六道棍はそれら六守護尊の力を宿せし神器・・・」「その形態は釈迦さまの”感情”に呼応しその姿を変える!!」と解説していくと、ゲルは「感情に呼応・・・」「自分で武器を選べないってことッスか!?」と理解していった。

釈迦が「熱すぎんだろ?お前の思春期・・・」「ついビビって楯出しちゃったよ」と斧爻を押し返すと、零福は「ぐ・・・余裕ぶってんじゃねえ!!」「潰せねえなら・・・ヤツ裂きだぁァ、シャキャアア」とさらに斧爻を変形させる。

すると釈迦の六道棍も六道棍弐之道畜生道馬頭観音・正覚涅槃棒(ニルヴァーナ)へと変化し「おまえか・・・突っ込めってことね・・・?」「了解(りょ)」と突っ込んでいく。

零福が「細切れろ!!」と向かってくる釈迦に斧爻を繰り出すが、釈迦はスライディングで躱しながら六道棍をぶち当てた。

ヘルメスが「スライディングで攻撃を避けつつすれ違いざまカウンター・・・やりますね・・・」と釈迦の動きを説明すると、アレスは「うむ・・・それな」「俺も同じの思った本当、本当に」と何が起きたのかわかってない様子だった。

ゲルが「や・・・やったッス!」「けど・・・六道棍がそんな武器になるって・・・どんな感情なんスか?」と尋ねると、ブリュンヒルデは「あのお方っぽいですね」「なにものにも縛られず生きたいように生きる」「釈迦さまこそ”史上最強の思春期”ですから」と語った。

その人は生まれながらにすべてを持っていた。古代北インド、カピラヴァストゥ。後の釈迦であるゴータマ・シッダールタは剣術の稽古を受けていた。

古代インドの小国シャカ族の王子として生まれた『クシャトリヤ』ゴータマ・シッダールタにおよそ無いものはなかった。『最高の身分』『最高の衣』『最高の食事』『最高の住まい』『最高の教育』そして・・・。星を見上げるシッダールタに父王スッドーダナ王が「立派に成長したものだ・・・」「ふふふ、アシタ仙人の予言通りだな」「これで我がシャカ族は安泰だ」「いずれ世界の王になる、それがおまえの運命なのだ」「よいか?シッダールタ」と声をかけると、シッダールタは「はい、父上」と返した。

後日、市中では商人が「さあ、シッダールタ王子からの下されものだ」「ありがたく頂戴せよ」と配給を振る舞うと、市民は「ありがとうごぜえます」「2日ぶりのおまんまだね」「おかげさまで今日を生きられます」「さすがシッダールタさま」「なんとお優しい心をお持ちか」「民のためにここまで・・・王族の鑑だな」「われわれスードラにまで施しを下さるとは・・・まさに神のような御方だ」「ありがたやありがたや」と皆が感謝を口にするが、釈迦は「やめてください」「民に幸福を与える・・・それが王族のあるべき姿ですから」と対等な立場で語りかけた。

シッダールタはシャカ族王子としての役割を・・・そして、天から与えられし運命を受け入れていた・・・。

シッダールタは城のへりに横になり空飛ぶ鳥を見て「おまえは・・・なにものにも・・・縛られていないのだな・・・」とつぶやくと、その鳥はより大きな鳥に捕らえられた。

運命とは・・・ただ・・・そういうものだ・・・と。あの時までは・・・。

古代北インドー六大国マッラ王国。シッダールタが「お久しぶりです!ジャータカ兄!!」と兄の待つ部屋に飛び入ると何とも言えない空気になり「・・・いえ・・・お加減はいかがですか・・・ジャータカ兄様・・・」と言い直すと、マッラ王国のジャータカ王は「シッダールタ・・・よく・・・来てくれた・・・」と病床の中で迎えてくれた。

従者に「いけません、ジャータカさま」と止められるが、ジャータカは「よい・・・」「今日は・・・気分が良いのだ・・・」「シッダールタ・・・散歩だ、付き合ってくれるか・・・?」と誘っていった。

ジャータカが「『兄』は止めておけと言ったろ」と言うと、シッダールタは「ハイ・・・・以前も一度たしなめられましたね」「町で見かけた子供たちのマネでした・・・」「仲の良さそうな兄弟たちがそう呼び合っていて・・・私も・・・少しうらやましくなったのです」と答えると、ジャータカは「王族のすることではない・・・」「私は・・・うれしいがな」とシッダールタの頭を撫でた。

遠い親戚にあたる5歳ほど年長の王とシッダールタはウマが合った。ジャータカが「そうか・・・いよいよ君もシャカ国の王になるか」と言うと、シッダールタは「はい」「王となり皆を幸福にする、それが私の運命ですから・・・」と答えた。シッダールタが「ジャ・・・ジャータカ兄様は・・・幸せですね」と話を振ると、ジャータカは「なぜ・・・そう思う?」と逆に尋ねてきた。シッダールタが「マッラ王国は豊かな大国・・・」「領民はヴァイシャからスードラに至るまでみな幸せに暮らしています」「王族としてこんな幸せなことはありません」と答えると、ジャータカは「本当にそう思うかい?」「君は本当に私が幸福だと思うのかい?」「シッダールタ・・・わたしはもうすぐ病で死ぬ」「わたしは今まで良き王になれるようただ民の幸福を考え生きてきた・・・」「幸い在位中、大きな戦いもなく国は富んだ・・・」「きっと人はそんな私の人生を『幸福な人生だった』と言うだろう」「シッダールタ・・・私の人生はいったい誰のものだったんだろうね・・・」「最高の衣も・・・最高の食事も・・・最高の宮殿も・・・そして王族の位も・・・私が選んだものは何ひとつない、すべて与えられた幸福だ」「民たちが食べるあの炒った豆はどんな味がするのだろう、あの川はいったいどこに流れ着くのか?」「そして、この空はどこまで広がっているのか・・・?」「わたしは何ひとつ知らない・・・」と淋しげに語った。

が、ジャータカが「いや・・・すまない、カッコ悪いところを見せてしまったな!!」「死を前に弱気になったみたいだ、忘れてくれ」と元気に振る舞ってみせた。

従者が「とうとう・・・逝かれてしまいましたな・・・」「しかし、これほど民が悲しむとは・・・まさしく王の誉れ」「ジャータカ様は本当に幸せな方ですね・・・」と話し、それを聞いたシッダールタは「幸せ・・・」とつぶやきジャータカの『私の人生はいったい誰のものだったんだろうね?』『すべて与えられた幸福だ』という言葉を思い出した。そして、シッダールタは何かを悟っていく。

従者が「シッダールタさま・・・?」「どうかされましたか?」「シッダールタさま・・・?」「葬儀に遅れてしまいますよ・・・」と心配していると、シッダールタは馬から降りて「カーカッカッカッカッ」と高笑いを始め「あ〜あ・・・」「俺、至る」と言い放つ。





いまが思春期最高潮

葬儀に参加するスッドーダナ王が「シッダールタはまだ見つからんのか・・・?」と聞くと、「はい・・・皆でさがしておりますが・・・走り去ったまま・・・」「余程ジャータカ様の死がお辛かったのでしょう」と言われ、スッドーダナ王は「まだまだ子供か・・・次期国王が困ったものだの」「しかし・・・この立派な王族の葬儀を見ればあやつもまた王としての自覚を改めるだろう・・・」とつぶやく。参加者たちが「こんな盛大な葬儀は初めて見たな」「ジャータカ様は幸せなお方だ」「大司祭様にマントラをあげて貰えるなんて」「栄華を極めるマッラ王国の王として逝ったのだ、これ以上の幸せはないだろう」と口々に話していると、シッダールタが花を撒き散らしながら宮殿に入ってくる。

司祭が「し・・・シッダールタ様お控えください」「まだ大司祭のご祈祷の途中・・・」と止めようとするが、シッダールタは「ジャータカ兄、迎えに来たよ・・・」と棺ごと持ち上げる。

「な・・・何をなされる」「まだ葬儀の途中ですぞ!?」「シッダールタ控えよ!王子たる者がなんたる振る舞いを」「この不敬者が!神罰が下るぞ!!」と皆憤りを示すが、シッダールタは「五月蝿え」と一蹴し「ジャータカ兄にはあんたらの祈りも神の祝福もいらない」「幸福は・・・裡にある」と棺を抱えたまま宮殿を出て行った。

そして、ガンジス川に棺を浮かべ「ジャータカ兄・・・自分の目で・・・見てきな・・・?」と棺を浮かべていった。

その後、シッダールタは城を妻子を王の衣を身分をすべて脱ぎ捨て野に出た。まさに犀の角のごとくただ我が道をひとり歩み始めた。

道中「行者さま、また空腹で倒れた者が・・・」と苦しむ僧侶を見つけ釈迦が「喰わせてやんなよ・・・」と乳粥を与えると、行者が「なんじゃ貴様は」「神聖な苦行中にそんなものを貪り食うなぞ・・・」と糾弾するが、釈迦は「うるせえ、俺はコイツに食わせてえ」と強引に食料を与えた。

その後、釈迦と行動を共にする修行僧が「シッダールタ様・・・本当に良いのでしょうか?」「我々・・・日がなこうして座ってますが悟りとはもっとこう・・・苦行とか・・・」と疑問を口にするが、釈迦は「うっせえな、いいんだよ座ってて」と木にもたれたまま言い切った。

その後も生贄に捧げられそうになっていた娘を救出し村人たちから「何をする!?」「その少女は神々への生贄!!」「神々の怒りを買い滅せられるぞ!?」と食って掛かるが、釈迦は「うるせえ」「ならば神と闘るだけだ」と言い放った。

なにものかが決めた運命に抗うために・・・。

ブリュンヒルデが「釈迦さまにとって人も神も関係ありません」「裡にある幸福を否定しようとするものたち、そして運命を押し付けようとするものたちが・・・ただただ・・・大嫌いなのです」と告げた。ゲルが「き・・・嫌い?もしかして・・・たったそれだけの理由で神と闘ってるんスか!?」と驚くと、ブリュンヒルデは「言ったはずですよ、あの方は”最強の思春期”「つまり、いまが思春期最高潮です!!」と伝えた。

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