終末のワルキューレ45話のネタバレを掲載。45話では、零福の過去が明らかになっていく。零福は釈迦が人間を導く様に嫉妬し、邪悪な神となっていたのであった。終末のワルキューレ45話のネタバレを読みたい方はこちらをどうぞ。
終末のワルキューレ45話のネタバレ
人間の本質
顕現した零福が伸びをして「ん・・・うん・・・」「動く・・・動く・・・」「ん・・・？でもちょっと・・・変か・・・？なあ？」と首を曲げると、釈迦は何も反応しなかった。
零福が「チッ、シカト・・・シカトだ・・・」「相変わらずだなぁ・・・人間ヤロウ」「『ひき肉にしてやるよ』・・・」「ん〜？・・・『消し炭』？『粉々』・・・？『処刑』・・・？『殺戮』・・・」「うん・・・うんうん・・・」「やっぱ・・・『殺戮』だよな〜」と凶々しい巨大な斧を生み出した。
アレスが「あ・・・あんな禍々しい神が・・・存在したのか？」と驚くと、ヘルメスは「あれが伝説の零福ですか・・・」「災い転じて福となす・・・」「第6回戦は因縁の対決になりましたね」とつぶやいていた。
零福を間近で見るヘイムダルは「め・・・めちゃくちゃヤバいやつキタァアアア！！」と感じていた時ポケットのスマホが鳴り、「びっくりした・・・運営からか・・・」と画面を見ると釈迦の対戦相手が毘沙門天から零福になっていることぉ確認し、「マ・・・マジかよ？」「人類代表も神代表も全く予定外じゃねえか・・・」「どうなっても知らねえぞ・・・！！」と考えつつ「え・・・えー、それでは改めまして・・・人・類・側闘士、釈ァアアアア迦ァアアア！！」「神側闘士・・・毘沙門天・・・否、七福神・・・否！否！！いろいろあらため・・・零福ぅぅぅ！！」「FIGHT！！」と開戦を告げた。
ゲルが「『ゼロ』・・・この事だったんスね・・・」「・・・っていうかなんなんスか零福って？」「てか合体って・・・いくら神でもめちゃくちゃすぎるッスよ」と目の前の光景が信じられずにいると、ブリュンヒルデは「いえ・・・七福神はあくまで仮の姿・・・」「私も見るのは初めてですが・・・あの『零福』こそが本来の姿なのですよ」と伝えた。ゲルが「あ・・・あれが本来の姿？」「神っていうより悪魔みたいスけど・・・」と思ったままを口にすると、ブリュンヒルデは「零福はもともと周囲に『福を零す』善神でした・・・」「しかし・・・哀しみが零福を変えたのです」と説明した。
まだ人と神が近しき古代アジア。人々を見守るため、人々の住まう俗世界に身を置く神もあった。当時の零福はが目を輝かしながら「う〜ん、今日もいい天気だな〜〜〜」「さぁ、オラがみんなを幸せいっぱいにするぞ〜」と社を飛び出した。
森の中で零福が小鳥に気づき「ん？」「落ちちゃったんだね・・・」と木を登り巣に戻してあげると親鳥が戻ってきて突つかれて木から落とされるも、「あいてて・・・ありゃ・・・親子か・・・」「よかった・・・幸せになりなよ？」と微笑んでいた。
かつて零福は誰よりも心優しき神であった。そんな零福が天界から降臨して目にしたのは・・・八苦に喘ぎ想像を絶する不幸のどん底にいる人間たちだった。
その様子を見て零福は自然と涙をこぼして「どうすれば・・・オラは神として、どうしてやればこの人間たちを幸せに・・・」「そう・・・そうだ・・・！！」「人間たちが『不幸な存在』であるならば・・・その不幸の源を絶ってやれば幸せになれるんじゃないか・・・！！」と気づき胸が痛くて苦しむ子供に「胸が苦しいんだね？」「大丈夫だよ、オラがきみの不幸を代わりに背負ってあげる」と手をかざし子供の痛みを取り除いてあげた。
零福の見出した救済・・・それは人間たちの不幸を吸い取ることだった。
そして、それを己の為すべき事とした彼は、不幸にあえぐ人々の幸せのため各地を巡り、その後もあらゆる不幸を・・・吸って吸って吸って吸いまくった。そうして、幾歳月が経った頃・・・。零福の体はボロボロになり別人の姿となってしまっていた。
零福が「ふふ・・・ここへ戻ってくるのも久しぶりだな」「いろいろ吸ったなあ・・・」「人間はこんなにこんなに不幸を抱えて・・・」と言うと全身に痛みが走りその場に倒れ込んだ。
人間の不幸を際限なく吸い込み・・・自身が苦痛に喘ごうとも・・・人間たちを幸せにすることが零福の幸福だった。だが・・・零福は知らなかった、人間の本質を。不幸を吸い取れば吸い取るほど人は幸福を見失い、どこまでも堕ちてゆく。
零福にぶつかった男が「どけっ！！」と冷たく当たると、零福はその男がかつて病苦を吸った少年であることに気づき「きみは・・・あの時の・・・大きくなったねぇ・・・」と声をかけたるが、男は「きったねえやつ・・・誰だよてめえ」と零福のことを覚えていなかった。
零福は地面に伏しながら「・・・・・・あれ？」「あれあれあれあれあれあれあれあれあれあれぇええ？」「え・・・？これ現実？」「ウソ・・・ウソだよ・・・」「こんなの・・・ウソだよね？」「こんなに・・・こんなに僕が・・・不幸を吸い取ってあげたのに・・・」「どうして・・・どうして・・・どうして・・・幸せになってくれないんだ・・・」と人間の浅ましさに愕然としていた。
自分で至るもんだから
そんな時、零福はとある行列に気づく。
村人たちが「あ？」「な・・・なんだ・・・」と「なんだよコイツら・・・動物までいるぞ」「何の行列なんだ？」と騒いでいると、零福は「決まっている・・・」「どこかで僕の事を知った不幸な者たちだろう」「また僕に・・・不幸を吸わせに・・・」と考えていた。列の中の老人が「わたしにもおひとつ豆をいただけますか、釈迦さま」と話しかけると、釈迦は「いっぱい食べなよ」と豆を沢山手渡した。
零福は目を疑った。『その者』に従う人間たちはみすぼらしく見えたが、なぜかその表情は幸福に輝き満ち足りていた・・・。
釈迦が横を通り過ぎた時零福が「待てぇええええい！！」と叫び「なんで・・・え・・・なんで・・・なんでなの・・・」「なんで・・・なんで・・・？」と声をかけると釈迦は「・・・君も一緒に来たいの？」「お豆さん食べる？」と豆を差し出す。零福がその手を払い「なんで・・・なんで・・・あんたの周りにいる人間は幸福そうなんだよ・・・！？」「ぼ・・・ボクが必死に・・・人間たちの不幸を吸い取ってやったのにさぁ〜〜〜ッ」「あいつら・・・！なんで・・・！ちっとも幸福にならないんだよ！？」「それどころかどんどんどんどん不幸になっていく・・・！！」と泣き出すと、釈迦は「不幸を吸い取る？それ違うよ」「幸福ってさ、与えられるもんじゃないんだよ」「自分で至るもんだから」「不幸あるところに幸福あり・・・だよ？」と説いた。
目覚めし人曰く・・・”きみは幸福を望むというのか？さればみずからにふさわしい負荷を背負え・・・それこそ喜びを生じる境地。やがて幸福を生む影である”。『スッタニパータ』第2章より。
釈迦が「キミも一緒に悟らないか？」と零福に手を差し出したが、列の人間たちが「釈迦さま・・・」「釈迦さま・・・」「釈迦さま・・・」「釈迦さま・・・」と慕うのを見て、零福はその列には加われず「うわあああああああ！！」と現実を受け止めきれず走って逃げ出してしまった。
列の男が「い・・・今のはいったいなんだったのでしょう・・・」と尋ねると、釈迦は「さあ・・・思春期なんじゃね？」と返した。
神が人に嫉妬する。あってはならなら屈辱であった。零福が「あれは僕の・・・僕の・・・僕の役割のはずなんだあああああ」「なんなんだ・・・なんなんだよ・・・あの人間・・・」「ぼくだって・・・こんなに・・・がんばったのにさ・・・」と水面に映ったボロボロの自分の顔を見て「くそ・・・くそ・・・クソがクソが、クソがぁあああああああ！！」と憎悪の感情に飲み込まれてしまう。数々の神話は物語る。神の愛はたやすく憎悪へと反転・・・そして幾度も人類を滅ぼさんとしてきた。邪悪な零福が降臨し「あ〜・・・スッキリしたあ・・・」「うん・・・殺戮・・・しよう・・・」と言い放つ。
その時通りかかった人間が「お・・・おいなんだアレ・・・！！」と零福に気づき「ひ・・・ひい・・・！！」「お・・・鬼だぁああ！！」と逃げ出すと、零福が追って殺そうとするが、女の背中の赤ん坊に気づき手が止まる。
そして「ううああああああ！！」と叫び出し、凄まじい光とともに七福神へと分化していった。
恵比寿が「ふぅ・・・危ないとこやったで〜」「もうちょいで人類に片っ端から天誅下すとこやったわ・・・」と言うと、布袋尊も「我がことながら焦ったぜ・・・」とつぶやき、弁財天も「福じゃなくて不幸ぶちまけちゃダメだよね〜」と言い放った。恵比寿が「それにつけてもあん釈迦のヤロウや・・・ただじゃすませへんで・・・？」と拳を握ると、寿老人も「神をさしおいて人を導き・・・」と怒りを顕わにし、福禄寿は「神に対するあの態度・・・」とキレ気味につぶやく。大黒天が「天誅、だね〜」と言うと、毘沙門天は「だが今はその時に非ず・・・往くぞ？」とその場から立去っていった。人類に大きな災いをなす寸前・・・零福は自ら”七つの神”七福神へと分裂。そして。八福神伝説は生まれた。
リングにて零福が「ようやく来たんだ・・・みんなの前でキミに天誅を下す・・・この時が・・・」「どうか・・・ぼくの前から消えてくれ・・・」「悪く・・・思わないよね・・・」「だって・・・ボクを虚仮にしたキミが悪いんだ・・・！！」と斧を構えるが、釈迦は零福に蹴りを浴びせる。
そして、釈迦は「・・・ごめん」「・・・きみ、誰だっけ？」と言ってのけた。
