終末のワルキューレ

【終末のワルキューレ】39話のネタバレ|雷電為右衛門の過去が明らかに

終末のワルキューレ39話のネタバレを掲載。39話では、雷電の過去が明らかになる。そして、生涯で初めて本気で相撲を取れる雷電は、かつて禁じ手とした鉄砲を繰り出していく。終末のワルキューレ39話のネタバレを読みたい方はこちらをどうぞ。

終末のワルキューレ39話のネタバレ

弱いものイジメ

圧倒的劣勢に人類が絶望する中、雷電為右衛門と土俵でぶつかった漢たちの見解は違う。力士たちは「こっからごわす、雷電の強さはオレたちが一番知ってるごわす」「無類力士の称号は伊達じゃない」「雷電、うっちゃれぇえええええ!!」と叫び、小野川が「見ろ谷川の・・・あの雷電が土俵で笑ってごわす」と声をかけると、谷川は「アッハッハ!!」「実にめでてえ!めでてえじゃねえか?なあ小野川の」「やっときたんだな太郎吉・・・」「てめえがよ・・・本気で相撲を取れるこの時が!!」と両腕を広げた雷電を見て歓喜に震えていた。

雷電為右衛門ほど相撲を愛しながら相撲に愛されなかった力士はいない。

かつてある村で子供たちが相撲を取っており、その様子を太郎吉が輝いた表情で見ていた。

勝利した子供が「っしゃあ!これで7連勝ずら!」「つぎっ!」と相手を募集するが、周りの子供たちが「無理無理、虎次にはとても勝てないずら」と完全に怯んでいた。虎次が太郎吉を見つけ「太郎吉、胸貸してやろうか?」「もう体は大丈夫なんだら?」と声をかけると、太郎吉は「うん!!」と嬉しそうに答えた。

虎次が構えながら「太郎吉は体が弱いからな・・・」「手加減してや・・・」と言いかけた時、太郎吉は虎次を瞬殺してしまたった。百閉によって筋肉を封じてなお、少年は怪物だった。

太郎吉が「・・・や、やった!勝ったー!」と大喜びし虎次に手を貸そうと「大丈夫?」と声をかけると、虎次は化け物を見るように「ひいいい!!」「な・・・なんだおまえ!?」「ば・・・化け物だに・・・」「で・・・でえだらぼっち」「でえだらぼっちずら!!」と叫び逃げ去ってしまった。

家に篭る太郎吉に母が「太郎吉、みんなと遊ばないのかい?」と声をかけると、太郎吉は「・・・おっかあ」「なしておらは・・・みんなと一緒じゃないの?」「なして神様はおらを・・・こんな化物にしたんだ?」と異常な力を不安に感じていた。

が、母親は「太郎吉・・・」「おっかあは・・・神様に感謝してるずら・・・」「おめが立てなかった頃な、何度も何度も神社に行って神様にお願いしたずら」「どうかこの子を立たせてけろ、この子を丈夫にしてくんろって」「そしたら・・・こーんなに大きくなっちまって」「太郎吉は神様に愛されてる」「太郎吉の力は神様からの授かりもの・・・おっかあの自慢なんだよ」「だからどうか・・・みんなが持ってないその力・・・弱いもののために使ってやってくんろ・・・」と抱き締めた。

その後、太郎吉は母の願いどおり・・・心優しい子に育っていった。少年は信濃の地でこのままみなに愛され暮らしていく・・・はずであった。

だが、天明3年(1783年)浅間山大噴火。天変地異が少年の運命を変えた。

降り積もる火山灰で作物は全滅。疫病が流行し信濃全域が飢饉に襲われ、数年にわたり餓死者が続出する事態に陥った。世にいう”天明の大飢饉”である。子供が「おっかあ・・・おっかあ・・・」「お腹空いた、お腹空いたよぉ」「おっかあ・・・起きて・・・起きて・・・」と動かない母親の体をさすっている光景を見た太郎吉は「ワシの力は・・・この力は・・・弱いもののために・・・」と決意を固めた。

太郎吉が17歳になる頃、両親に別れを告げて村を出た。

太郎吉は信濃を後にしひた走った。17歳の太郎吉少年が選んだ道は・・・相撲取りになって故郷の為に大金を稼ぐことであった。

相撲部屋に入った太郎吉は周りの力士のぶつかり稽古を見て、そしてその横でおむすびを頬張る江戸勧進相撲の浦風親方を見て「すげえ・・・あんなに白飯がいっぱい・・・」「あの米俵・・・信濃に送ってやりたいずら・・・」と感じていた。

浦風親方が「太郎吉、次はおめえだ」「全力でぶつかってみな」と告げるが、太郎吉は「い・・・いやぁ、おらぁ遠慮しときます」と断る。浦風親方が「なに?」と驚くと、太郎吉は「全力出したら兄弟子さんらを壊しちまいそうなんで・・・」と理由を述べると、当時大関だった谷風梶之助が「ガッハッハ、おもしれえ!!」「オレとやろうぜ」「それなら文句ねえだろ?」と立ちはだかった。

それでも太郎吉が「いやあでも・・・」と躊躇していると、谷風は「太郎吉よ・・・ここでオレを倒せなきゃ田舎に帰ってもらうぜ」と告げ、太郎吉は「そ・・・それは困るずら!」と勝負を取ることになった。

太郎吉が「吹っ飛んで怪我しても・・・知らんずら」と向かっていくが、谷風は太郎吉の体を受け止めた。

そして、まわしを取り太郎吉の体を投げ飛ばしてしまった。

谷風が「どうした?もう終めえか?」「なら荷物まとめてとっとと帰りな」と言い放つと、太郎吉は「みんなが・・・腹空かして待ってる・・・」「故郷に帰るわけには・・・いかねえずら!!」と再度谷風に向かっていくが、谷風は「だったら・・・どうする?」と再度太郎吉の体を突き飛ばした。

太郎吉をボコボコにした谷風が「どうでぇ・・・坊主・・・?」「これが相撲だ」「強えだろ?」と言って笑うと、太郎吉も「相撲・・・おもしれえ!」と笑っていく。

浦風親方が「ダ〜ッハハッ、史上最強の大関相手におもしれえたあいい度胸だ」と笑うと、谷風は「・・・この坊主、オレが預かってもいいですか?」と確認する。浦風親方が「ああ、そりゃ構わねえが・・・谷風のぉ、あんた弟子は取らねえんじゃなかったか?」と返すと、谷風は太郎吉との取り組みで腕を震わせながら「たった今・・・気が変わりました」と答えた。

四股、すり足、鉄砲、少年は飽くことなく与えられた相撲の基礎稽古に打ち込んだ。太郎吉にとって相撲こそが・・・生まれて初めて全力でぶつかれる存在だった。

そして、寛政2年(1790年)。松江番預・雷電為右衛門となり迎えた初土俵・・・。

相手の力士が雷電の回しを掴み「な・・・何だコイツ・・・」「こんなに細ぇ体のくせに・・・」「動か・・・」と感じていると、雷電に土俵外に投げ捨てられてしまった。

雷電は生ける伝説になった。

ただ一撃で相手をなぎ倒す、圧倒的な勝利の連続にかつて”でえだらぼっち”と呼ばれた少年は江戸を、信濃を・・・否、飢饉にあえぐ六十余州を照らす雷光となったのだ。

だが・・・その絶頂も長くは続かなかった。雷電が土俵に上がると、相手の力士は怯えた目で「ひ・・・ひいいいいいいっ!!」と自分を見ており、雷電はかつて化物扱いされた時のことを思い出してしまっていた。

その日の夜、谷風が「雷電・・・」「てめえ・・・今日の取組・・・なんでわざと敗けた?」「いいか!?てめえのやった事ぁ相撲の神様に唾する・・・」と肩に手をかけると、雷電が泣いていることに気づく。

雷電が「師匠・・・」「ワシぁちっくい頃から力は弱いもののために使うように・・・おっかあに言われて育ちました・・・」「なのに・・・なのに・・・ワシぁまたー・・・弱いものイジメをしちまってたみたいです・・・」「でも、ワシにはこれしかねえ・・・」「ワシ故郷のもんを食わしていくためには・・・これしかねえんです・・・相撲しか・・・」と膝をつき、谷風も何も言ってあげることができなかった。

以降、相手を”壊さない”ように・・・そして、弱いものを傷つけぬために・・・雷電は最も得意とする技を封じた・・・。”鉄砲”、”張り手”、”サバ折り”、”閂”、合わせて雷電の『四禁』。それでもなお、雷電は勝ち続け・・・得た金を故郷に送り続けた。最高位”大関”。21年間の戦績、285戦254勝10敗14預かり2分5勝負無し、勝率9割6分2厘。10敗と2分は全て格下力士、つまり相手の力士と闘えない理由があったことに由来する。事実上の無敵、ゆえに人はこう呼んだ・・・『無類力士』。

だが誰が知ろう・・・引退するまでただの一度も・・・全力を出しきれないまま・・・土俵を去ったのだ。





八咫烏

それらの経緯を知る谷風は「すまんかったなぁ・・・太郎吉・・・」「オレらじゃ成長したおまえの全力を受け止められなかった」「見せてやれ・・・取りたかった本当の・・・無類力士雷電為右衛門の相撲を!!」と応援していた。

雷電が「へへ・・・久しぶりだな・・・」「思う存分・・・相撲をやるのは・・・」と言い切ると、シヴァも「何だよおまえ、そんな気持ちいい表情もできたんだな」と笑っていた。

己を・・・否・・・相撲を解放する、そう決めた雷電の体は、ごく自然にその動作を始めていた。

そして雷電は両手を合わせ四股を踏むと、シヴァは「奥の手か・・・いいねぇ」「ぶっちぎりで来いよ」と告げた。時間いっぱい、何でもありの中・・・数ある相撲技から力士・雷電為右衛門が選んだ技、初歩にして奥義、鉄砲。異形の構えから放たれんとする雷電為右衛門のそれは・・・神器錬成の筋肉完全制覇によって異質の技へと昇華・・・。そして、超速筋骨移動により全武力を掌底に込めた絶壊の一撃。鉄砲極みの型、曰く八咫烏。

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